魔女の幸せ

旅立ち




錆びたような赤髪は腰まであり、耳の高さに一つ縛り。


服は地味な赤茶色で、膝下丈の動きやすいドレス。
足元も動きやすい黒のブーツ。



それが、アリアの日常の格好だ。

同年代の少女たちは飾り物を好み、胸元を開けた派手なドレスを着てると言うのに、

彼女はお洒落については無頓着で、動きやすい格好を好んでいた。




そして、上流階なら華やかな舞踏会…中流ならサロンやお茶会…町娘なら自分と近い存在の男性と恋愛…

と家柄に合わせて皆が青春を送る中で、

アリアは毎日森に入って薬草や木の実を取っては、街から少し離れた場所にある小さな家でひっそりと過ごしてるのだった。



特に悪い事をしている訳ではないが、街に出れば特別な目で見られる。

普段はこちらを気にしてる目だか、時には軽蔑した目や怯えてる目を向けられる。




それは…アリアが魔女だからだ。



 
< 1 / 54 >

この作品をシェア

pagetop