―――――忘れられないのは……掌の熱……―――――


どんなに心細くて不安に襲われても、繋ぐ手と手が、その伝わる熱があれば。
自分たちは大丈夫だと、あの幼い頃は思っていた……。




彼女はバッグをソファの脇に置いて、近くのコンビニで買ってきたばかりの女性誌をテーブルに置く。
普段、購読する女性雑誌とは違うが、表紙のタイトルに釣られて買ってきてしまった。
メイクを落して、スーツを脱ぎ、ラフなホームウェアに着替えると、冷蔵庫からビールを取り出した。
ソファにくつろいで座り、雑誌を手にする。
インタビュー記事を探して、そのページに視線を落した。



――――では最後に今年はどんな1年でしたか? また来年の展望は?
――――いい年でした。もちろん来年の課題も見えてます。

やはり、準優勝ではなく優勝をと言う気持ちが伝わりました。

――――そうですか、ありがとうございました。

しかし、本誌としてはもう少しプライベートなことを訊きたいところ、オフレコで、クリスマスの彼女との約束や年始年末のOFFの予定を訊ねたところ、「――――家族とゆっくり過ごします」とのこと。
活躍した今季の鉄壁の守備同様にガードは固くて、とても残念です。来年の活躍を期待したいですよね。



(なんかなあ……ここまでくるともう、幼馴染って気がしないな)

彼女は一口ビールを咽喉に流し込んだ。