結局、眠れなった。
本当に彼と2人ででかけるのだろうか?
一体彼は何を考えているのだろう?
彼は好きな彼女がいると、千華にそう云った。
何度もベッドの中で寝返りを打つ。
窓の外は明るくなり始めていた。

(好きな彼女がいるのに、どうして彼女と出かけないんだろう?)

彼がどうやら片想いらしいのは、なんとなく会話で察することはできた。

(クリスマスに告るのかな? でも、彼女が別の人に誘われちゃうかもしれないじゃない?)

「わかんないな――……」

千華は枕元から携帯をとりだす。
日付変更寸前に届いた親友のメールを読み返す。
古賀と出かけることになったのを、メールで相談したのだが、その返信だった。


――――ぐずぐず悩むってコトはやっぱり好きなんでしょ? だったらこれはチャンス。後先のこと考えないで、気持ち、素直になってみ。女は度胸と愛嬌なんだからね


千華は溜息をついて上体を起こす。

(今日1日は、古賀君と一緒なんだ……)

気合をいれるために、千華はシャワーを浴びにベッドから起き出した。

(2人ででかけるのなんて、これで最後かもしれないしね。今日1日、素直なままの自分でいよう)