初恋の実らせ方
初恋は幼馴染み
「しっかり掴まってなよ」


そう言われて、緊張しながら恐る恐る啓吾の腰に腕を回すと。
シャツ越しに伝わってくる引き締まった体の感触に、彩の顔は真っ赤になった。


啓吾は慣れてるかもしれないけど、彩は男の人とこんなに引っ付いたことはなかったから、心臓が爆発寸前。


「あいつ、嫌ならはっきり言った方がいいよ」


あいつ、というのが英知を指しているのだと分かり、くすくす笑っているうちに緊張が解けてくる。


「嫌じゃないよ。
ちょっと困ってるけど」


英知は弟みたいな存在だから、いないときっと寂しい。


「あいつちっせぇときはかわいかったんだけどな」


幼い頃、英知がビー玉のような目を輝かせて後を付いて来たのは記憶に新しい。
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