揺れる想い~年下彼氏は小学生~㊦

chapter2

「……怒ってる?」


「別に」


「ちょっとは…怒ってるよね?」


「別に、怒ってないよ。ただ、俺が前に言った意味…これで分かってくれた?」








なんとか課題を終わらせた私達は。

図書館を出て、近くのファミレスでお昼を食べることにした。


注文を済ませ、料理が出てくるまでの間。

不機嫌そうな大翔君に、思い切って尋ねてみた。








私が先輩と話をして戻るのが遅くなった時点で、彼は既に不機嫌になっていて。


その上、宿題の分からないところを彼に教えていた時。

向かいの席で雑誌を読んでいた初老のご婦人が、


『姉弟で勉強しに来るなんて、仲良くていいわねぇ』


と、声を掛けて来てくれて……。


引きつった愛想笑いしか返せなかった私の事を、きっと怒ってるに違いないんだ。







「前に言ったのって、人前では『君』を付けるって話だよね?」


「そ。さっきので分かったでしょ?今の俺は、どんなに頑張ったって由佳の弟にしか見られないの」


確かに、弟を≪大翔君≫って呼ぶのはおかしいだろうし。

ちゃんと恋人に見えるように、って事なんだよね。
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