今日も一日がはじまり、わたしの日常も起動する。

だんだんと社員が出社してきた社内は慌ただしくなり、電話も次から次へとかかってくる。


「おはようございます。コーヒーどうぞ」

「ありがとう」


これがわたしの毎朝のお仕事。

そう、朝のお茶出し。

もうすぐ25歳のわたし、谷本夏帆莉(たにもとかほり)は入社して丸4年だけど、こうしていまだにこのお仕事が毎朝の日課。


「あ、谷本さん」

「はい? なんでしょうか?」

「明日から紅茶にしてくれないかな?」


え? 紅茶?

つい今しがたコーヒーをお出しした世良(せら)課長がにっこりとほほ笑むので。


「わかりました。お砂糖はなしでいいですよね」