次の日の土曜日、わたしは手作りのお弁当を持ってヒロくんのマンションに来ていた。

ヒロくんのマンションは会社から比較的近い上にわたしの家と同じ沿線にある。

きっとそのあたりも考慮してこの場所を選んでくれたのかな。


「食べるでしょ?」

「うまそうだな」


もうお昼を過ぎていた。

ヒロくんは家では意外にものぐさだから、今日みたいな日は放っておくと、たぶんなにも口にしない。


「おにぎりはね、こっちが梅でこっちがシャケ。あとはヒロくんの好きな卵焼きとミニハンバーグ。それとブロッコリーとプチトマト。これはね、夕べの残りの煮物。つまりお母さん作です」

「すげーな。弁当なんて久しぶりだな」

「たまにはいいでしょ? こうやってお弁当箱に詰めるとふつうのおかずもおいしそうに見えるし」

「ああ。俺、カホの作るおにぎりが一番好きなんだ」

「え? おにぎり? おかずじゃなくて?」

「ほかのもうまいけど。おにぎりが最高だよ。あとは卵焼きさえあれば、なにも言うことない」