サンダルウッドにくるまれて
あれから、どのぐらい過ごしたんだろう。


ここの世界の人は、思ったよりも親切だった。

…とは言っても、この宮殿の人しか知らないけど。


マティアスは王太子だった。
この国の、次の王になる人。

そんな偉い人のお世話になるなんて…。


「サエ? また考え事?
国に帰りたくなった?」

「そうじゃないの。
別に…そうじゃない」


今では、ここでの暮らしが心地よくなってる私。

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