龍とわたしと裏庭で⑤【バレンタイン編】

年越し蕎麦を食べて、年末恒例のテレビを見て、なっちゃんと航太が元朝参りへ行こうと迎えに来た。


去年とまんま同じ年末


「手袋はどうした? 帽子とマフラーは?」


去年と変わらない航太の文句

よく考えてみたら、いつもの圭吾さんと同じ事言ってる。

でも、圭吾さんならもっと優しい。

「馬鹿か、お前は?」

そうよ。そんな風には絶対に言わない。

でも、気遣いは一緒なんだと気付いた。


「航太、ありがとうね」

わたしがそう言うと、航太は『はぁ?』って言った。

「なんだよ、急に」

「何でもなぁい! なっちゃん、行こ」


わたしは笑いながら、なっちゃんと腕を組んだ。


初詣の行き先は、近くの八幡神社。

通学区域の真ん中にあるので、中学校の時の同級生がたくさん来ていた。


「おうっ、航太!」

男の子達が手を振る。


航太はいつでも人気者。

< 17 / 125 >

この作品をシェア

pagetop