龍とわたしと裏庭で⑤【バレンタイン編】

久しぶりの我が家!


親父がドアに鍵を差し込んだ途端、お隣りのドアが開いて、幼なじみの夏実ちゃんが顔を出した。


「お帰り、しーちゃん!」

「なっちゃん、ただいま!」


マンションの廊下で、わたし達は抱き合った。


「うっせーぞ、お前ら」

なっちゃんの後ろから出てきた双子の航太が、文句を言った。

「苦情が来るぞ」


そうだった


わたしとなっちゃんは、顔を見合わせてクスクス笑った。


「ほら夏実、しーは帰って来たばっかなんだから休ませてやれよ」

なっちゃんが素直に玄関に戻る。

「しー、あさって買い出しに行くぞ。それと、大晦日に元朝参りな」


それ、決定事項?

相変わらず、お節介な奴


なっちゃん達と手を振って別れて家に入ると、『ピザでも取るか?』って親父が言った。


「ラーメンの方がいいな」

わたしは出前のメニュー表を引っ張り出した。

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