極上お姫様生活―２―【完】

これからの未来を

「何だかみなさんに悪い事しちゃったみたいです……」



翼と別れて、あたしは斎の部屋にお邪魔する。肩を並べて座りあたしの心臓はドキドキと高鳴っていた。



「悪い事、ねぇ……」




「だってあたしの事想ってくれてたのに……そんなみなさんの前で、あたし」


自分が逆の立場だったら多分立ち直れないもん。



申し訳なさでいっぱいになって唇を噛み締める。




「だったらなおさら、俺たちは幸せになんなきゃいけねぇんじゃねぇの?」


「え?」



斎があたしの髪を弄ぶ。くすぐったくて身をよじれば斎は、ニヤリとと口角を上げた。





「ちゃんと公言したし、俺たちを隔てるものはねぇだろ?つーかもう、いい加減我慢できねぇんだけど」



斎の腕の中にすっぽり収められる。




確かにあたしたちの間に障害はなくなったわけで。


「ふふっ」



急にその事を実感して笑みが溢れ出す。だってこれからずっと傍にいられるんだから。










「蒼空、こっち向いて」



顎を掴まれて上を向かされる。恥ずかしくて恥ずかしくて逃げ出しちゃいたい気分だったけど、斎の声に釣られて目を合わせた。