わき役の私
「やっぱり、朝倉は別格だよな~美砂ちゃんとお似合い…」
ボソッと隣の男子が呟けば、ほかの男子も頷く。
朝倉君は美砂と一・二言会話をするとまたキョロキョロとし始めた。
何か探してるのだろうか?
その目が、教室の端で男子といる私を捉えて、ジッと見た。
…………?
早くも、朝倉君から美砂の話題に戻ってる男子たちは、「でさ~中山~」と私に質問を再開していた。
私もそこで、朝倉君から意識をそらして男子に向き直る。
多分、私の近くの何かを見ていて、それを私に向いてると勘違いしたんだ。
何だか自意識過剰だな…
「中山、何とか聞いてよ~」
と、私の肩に手を乗せた男子から、私から美砂に恋について聞くようにせがまれる。
「…あ~…」
何か返事をしようと口を開いた瞬間、私の肩に乗ってた男子の手が退かされる。