わき役の私



「うーん、甘いな~」と言いながら朝倉君はクッキーを飲み込み、私を見る。


私は、びっくりして声も出せずに、朝倉君を見ていた。




「あのさ、中山…何を勘違いしてるかわからないけど、
俺が好きなの深町じゃないから」



突然の発言に、美砂は「ふあっ!?」なんて変な声上げてるし、
教室にいる皆は「えっ!?」なんて声上げてるし、
隣にいた西田君なんかお菓子落としてるし…



ただ、皆が聞いて反応する中で、
朝倉君だけは、私から目をそらさないで、クッキーの手を掴んだままだった。



「俺が、深町のところにわざわざ来るのは、中山が居るから……深町と色々話してるのは、中山の事聞きたかったから……」



………何を……言ってるの……?



 
< 25 / 35 >

この作品をシェア

pagetop