ありのままの、あなたが欲しい。

３＊Nature‐本性‐

薔薇のトゲを隠したタンポポ

◇Side 叶

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あっという間に桜も満開になり、俺はまた武田さんとハイキングをしに来ていた。


利用者さんは花に興味がなさそうな人がほとんどだったが、一応花見をしてから車に乗り込んだ。



武田さんが運転するハイエースはこのまま施設へと戻るのだが。


「今日は久々にエリカに寄ってくか！」


という彼の一言で、車の中は一気に騒がしくなった。



「お兄さま～！エリカよってくの～！？」


「そうだよ。お菓子買いにね」



俺は何故か隣から離れないアッコちゃんを適当にかわしつつ、雄叫びを上げる利用者さんを宥めていた。