祐雫の初恋

「突然お邪魔をいたしまして申し訳ございません。

 お褒めいただいてありがとうございます」


 祐雫は、立ち上がって詩乃に会釈を返した。

 自分には似合わないと気にしていたワンピースを褒められて、

安堵していた。


「どうぞ、お座りになられて、

 ごゆっくりなさってくださいませ」


 詩乃は、夏の木漏れ日に煌めく

白いワンピース姿の祐雫の姿を眩しく見つめた。


「ありがとうございます。

 いただきます」


 祐雫は、椅子に腰かけて手を合わせた。

 詩乃は、その仕草に好印象を募らせた。


「詩乃さん、ありがとう」


 詩乃は、丁寧にお辞儀をして、

慶志朗のお邪魔はしません

とばかりに微笑んで別荘の中へ下がった。

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