貴方の愛に捕らわれて
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猛さんのマンションに戻ると、智也さんが私の部屋に荷物を運んでくれた。
制服を取り出しクローゼットにしまう私に、智也さんは「片付けが済んだら休んで下さい」と言って帰って行った。
持って来た荷物はあっという間に片付いた。
広い部屋にぽつんと一人残されると、嫌でも先ほどの香奈さんとの会話が蘇る。
別に引き止めて欲しかった訳じゃない。
心配してもらえると思っていた訳でもない。
私は望まれて生まれた子じゃない事ぐらい
分かっているつもりだった。
何も期待などしていなかった……
だけど、さっき香奈さんに“お前の存在が迷惑”だと言われ時、悲しさと虚しさで心臓が凍りつくかと思った。
いっそ、凍りついてしまえば良かったのに……
結局私は、実の親に二度も捨てられた。
―――ふふふ……
そう思うと、なんだか滑稽で笑いがこみ上げてきた。