びっくりして身を堅くする私を抱き上げたまま、洗面所を後にする猛さん。



『下ろして』と言う間もなくリビングまで運ばれると、そのままソファーに座った猛さんの膝の上に、横向で座らされた。



猛さんの腕の中にすっぽりと収まった私の視界が、不意に真っ暗になり、瞼の上に冷たいモノが乗せられた。



ヒンヤリとした感覚にびっくりして、瞼に手をやれば、その手は瞼に触れることなく、宙で捕まえられる。



「濡れタオルだ。冷やさないと腫れるだろ」



私の手を取った猛さんは、先程の質問を耳元で優しく繰り返した。



猛さんの腕の中は、何処よりも安心できて、耳元で囁かれる低音ボイスも、不安に怯える私の心をほぐしてくれる。



だからなのか、私は心の内を素直に打ち明けた。



『猛さんは、私の何処を気に入ってくれたのかなって…』



 

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溺愛  最強  ヤクザ  純情  年の差  孤独 

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