貴方の愛に捕らわれて
6
どれくらい眠っていたのか、聞き慣れない“ちゃぷん”という音で目が覚めた。
まず初めに目に入ったのは、壁一面とも思えるほどの大きな窓。
『あ…れ…、ここは………?』
ぼんやりする頭で記憶をたどる。
確か、頭が痛くなって学校を早退して……
ああ、家には居られないからホテルに泊まったんだ。
でも、こんなに大きな窓なんて、あったかな?
すっかり暗くなった室内にゆっくり視線を巡らせれば、ホテルにあるまじき大きな部屋。
ホテル……じゃない………!?
どういう事か分からず、混乱する頭でとにかく起きなければと、寝ていた大きなベッドから体を起こそうとした時、ガチャリという音が静かな部屋に響いた。
反射的に音のした方に顔を向けると、ドアの所に大きな男の人が立っていた。