大人恋愛部
恋愛できない女
「おめでとう。」


そう言って私は
大きな瞳に涙を浮かべて
幸せそうにほほ笑む彼女に
花束を渡した


「ありがとうございます。
チーフ。」


花束をつかむ左手には
零れ落ちる涙よりも
遥かに輝きを放つ
推定1.2キャラットのダイヤモンド






……


確か彼女が入社して
私の班に来たのは二年前…


大卒の使えない新人を
叱咤激励し
なんとか一人前に育て上げたのに


これから独り立ちって時に
「私結婚します。」

とアッサリ寿退社…



思えば
こんな風に後輩を見送るのは
何回目だろう…
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