これを運命とするならば
1. 階段にて





うちの会社に新しく役員が入るらしい、と噂を聞いた。


でも私には関係ない話な訳で。
だって私はただの一会社員だから。


だからまさか出会ってしまうことなんて、考えもしていなかったの。










「―――上村ー。出来上がったかぁ?」


先輩の声に私は一拍遅れて顔を上げなんとか笑ってみせる。



「お、終わりましたよ………休憩行ってきます」


私は先輩に書類を渡すと、代わりにお駄賃の千円札を握らされそのまま席を立った。





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