これを運命とするならば
6. 風邪の功名





耳を疑った。
信じられなかった。
何度思い出しても顔が熱くなってしまう。


今日は休日、花の土曜日。しかも月曜も祝日だから三連休の初日なのに!
なのに、頭の中は三柴さんのことでいっぱいだった。






「………あぁぁ!」


耳元に残るあの一言。
“好きだ”と、あの声がそう言った。
恥ずかしくてたまらないのに何でこうも思い出しちゃうのか不思議だ。



―――――♪♪♪


そんなふうに悶々と過ごしていると、テーブルの上の携帯電話が鳴りだす。


…なんか助かった!
この妄想(?)を振り切るのにちょうどいいと携帯を手に取り、私は電話に出た。





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