君のための嘘

返事

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「あの……なにかお手伝いさせてください」


考えに行き詰まった夏帆はキッチンで作業している家政婦に声をかけた。


「あら、よろしいのですよ?おふたり分ぐらいひとりで出来ますから」


50歳代だと思われる家政婦が言う。


嫌みのない笑顔で言われてしまった夏帆はどうしようかと考えた。


「じゃあ、見ていてもいいですか?私、料理が凄く苦手で……」


「もちろんでございます」


家政婦は恐る恐る聞く夏帆に快く了承した。


夏帆はキッチンの隅に経ち、野菜の煮物に味付けをする所や、酢の物などを作る所を見ていた。


こんな風に見ることもなかったっけ……。


アメリカの実家にもメイドがいて、料理や掃除などをしてくれていた。


だから料理をほとんど作ったことがなくて、あんな失敗をしてしまうのだ。


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