あかりは名の知れていない大学を卒業後、就職活動に失敗し、ここでアルバイトをしていたらしい。


とはいえ、週に二日程度のシフトでバイトのない日はずっと家に籠っていた、と生野の調べで分かっている。


「あかりちゃんが殺される前、何か変わったこととかありませんでした?」


隆はわざとらしく眉を下げた。


「あったよ」


若い男の店員はさらりと言った。


「こないだ警察が来た時は何となく言いそびれた、ていうか、言うほどのことじゃないと思ったんだけどね」


それは本当に変わったことなのだろうか。


隆は疑わしく思いながらも男の言葉を待った。


「米山さんが殺される三日前だったと思うんだけど、客の男と何か話してたんだよね」


やはり大したことではないじゃないか。


隆は腹の中で舌打ちをした。



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