シンデレラに玻璃の星冠をⅠ
ある現状 櫂Side
 櫂Side
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「連絡…遅くないか?」


腕を組みながら、俺は苛々とした声を発した。



「あはははは~、榊とラブラブしてるんじゃな~い?」


真向かいの…かつての俺が座っていた位置でふんぞり返っている青い男が、益々と俺の気分を害してくる。


全て――


この男のせいだ。



この男をこの家に招いてから、監視という理由で、俺を含めた全員の通信機器を全て抑えられている。


万が一の為にと、玲が独自のネットワークに乗せていた携帯だけが、氷皇に悟られずにすむ芹霞との唯一の手段。


携帯に入ったメール情報は、送受信共に居間に移動した小さい画面(モニター)にて氷皇の目に晒されるが、玲が組んだネットワーク上の携帯通信においては、予(あらかじ)めダミーの文面が流れる仕掛けになっている。


その為、画面で見る文章は、差し障りないのない…一般的女子高生と大学生のものなんだろうが、嬉しそうに携帯を弄っている玲の姿からみれば…実際の処の文章は、きっと俺の機嫌が悪くなるくらいの親密なものなんだろう。


何でそんなに頻繁に玲とメールしてるんだよ。


お前学校行ってるんだろうが!!!


何で待ち構えていたようにそんなに早くメールを返してくるんだ、もう放っておけばいいだろう!!?


何をメールしてるんだよ!!?



玲が芹霞向けに作る文面がどんなものかは判らないが、俺のとは違う…女受けするものなんだろう。


芹霞と俺のメールなんて、すぐ終わる。


だからこそ、永遠に続きそうな玲とのメールが妬ましくて仕方がない。



やはり――

ネックは"絵文字・顔文字"なのか?



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