覆される都市伝説
出会ってはならない存在

暑い夜に…

わたしはいつも、暗い空間に1人でいる。

1人は楽、そして暗闇も心地いい。

正確な時間は分からないけれど、ただ1回だけ、知ることができる。

それは誰かがわたしのサイトにアクセスして、小説を読んでいる時。

サイトは午前0時にしか開かないから、誰かが読み始めた頃はその時間であることが分かる。

最近、このサイトが都市伝説としてウワサになっているみたいで、アクセスしようとする人が増えた。

…バッカみたい。

このサイトに辿りついて、無事な人間は一人もいないというのに…。

何故読もうとするの?

自分だけが無事に済むとでも思っているの?

何て浅はかで愚かな考え。

―わたしはそんなに甘くないのに。
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