3月下旬の日曜日、産院主催の「両親教室」に参加することになり、夫と一緒に出かけた。

つわり対策のレモンスカッシュを片手に会場に入ると、何組もの夫婦が用意されたパイプ椅子に腰掛けていた。

私はどうも幸せいっぱいカップルの中に紛れるのが得意では無く、子供を授かりまさに今幸せの最高潮にいると思われる夫婦たちと同じ空間に入るのが何だか気恥ずかしくて、無駄に周りをキョロキョロしてしまった。

私と夫は受付を済ませると一番後ろの席に座った。

周りの夫婦たちは手渡された冊子やオムツのサンプル等を手に取りながら和やかに会話している様子だったが、私と夫はお笑い芸人の話をしていた。

開始時刻になり、受付をしていた女性スタッフが今日の流れを一通り説明すると早速白衣を着たおじいちゃん(失礼!)が壇上に上がった。

院長の登場である。

院長は日本で初めて「硬膜外麻酔」による分娩を開始した医師で、更には妊婦の為の運動「マタニティビクス」の生みの親らしい。

スライドを使って無痛分娩や妊娠中の運動について実に饒舌に語っている。

とても立派な先生なのだが、時折パソコンの操作がわからなくなりスタッフに手助けを求めるあたりが妙に親近感を持たせる。

院長先生は特に、自分が作ったマタニティビクスのもたらす効果について熱弁を振るいまくっていた。

分娩にかかる時間も短縮される、体重コントロールもラクになる、糖尿も予防できる云々、しまいには運動すりゃつわりなんて治るとまで言い出し、会場は苦笑の渦に包まれた。

「両親教室」と言われていたので私はてっきり赤ちゃんの人形を使って、オムツ替えや入浴の練習をしたりするのかと思っていたのだが、予想に反してその内容は8割が院長のトークであった。

さながら大学の講義のようである。

2時間以上に渡り開催されたその講義から私と夫が学んだことは院長が語るマタニティビクスの必要性、この一言につきる。

貴重な経験をした。



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