キスはおとなの呼吸のように【完】
2.ちいさなぬくもり
わたしの仕事や生活は毎日呼吸や時計のように単調だ。

その日の午後は大上先輩のうしろにくっつき営業にまわり歩いた。

仕事が終わると会社ですこし時間をつぶしてから帰りの電車にのるのが、ふた月まえからのわたしの習慣だ。

家で奥さんが待っている大上先輩は、その日の営業報告をすませるとさっさと帰宅するのでわたしたちは会社で解散。
仕事以上のつきあいはない。
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