高天原異聞 ~女神の言伝~

6 闇の先触れ


 夕暮れが終わる、薄闇の満ち始めるその時。
 闇にうごめくものの、声なき声がする。

――女神ヲ、見ツケタカ

――主ガ捜シテイル、女神ダ

――神気ヲ探レ

――コノ近クニイル

――確カニイル

――捜セ

――捜セ 主ガ待ッテイル

――主ノモトヘ 連レモドセ

 禍々しい気が満ちる。
 女神を求めて、それは闇の中へと消えていった。




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