一目恋探偵事務所

同居せいかつ★

「・・・ねぇ・・・なんでついてくるの！？」

一目恋くんは、どういうわけか私の家までついてくる。
というか、あっという間に家の前まで着いてしまった。

「そりゃ、紅が俺のご主人なわけだろ？だから一緒に行動しなきゃなの」

一目恋くんは当たり前かのようにそう言ってくる。

「はぁ！？ご主人にはなったかもしれないけどウチで面倒見るなんて言ってないわよ！」

「あんなぁ、オレと紅は契約しちまったワケだから、近くにいなきゃいけないの！」

「そんなの聞いてなかったんだけど・・・」

まあ、私もよく考えたら子供を野外にほったらかしってのもできないし・・・
しょうがない、しばらくは面倒見るか。

「と、とりあえず・・・お母さんたちにはなんとか言っておくから、中入りな」

「あ、紅の父ちゃんは知ってるはずだから大丈夫だぜ！おじゃましま～す！」

一目恋くんからのまさかの発言に私は驚く。

「え？お父さん？なんで？」

「ん～？？お前の父ちゃん、探偵事務所やってんだろ？」

しかもお父さんの探偵事務所まで知っているとは・・・

「う、うん。お父さんは事務所開いてるだけで、ほとんどは私がやってるんだけど・・・」
「知ってる。んで、ホントはお前の父ちゃんと契約するはずだったんだけど、それ聞いて紅のもとへ来たの！」

「そ、そうなんだ」

そんなことを玄関で話していると、お母さんがキッチンから出てきた。
「あらあら紅ちゃん！おかえりなさい！あら、そのかわいい男の子だあれぇ？」

「お母さん！ただいま！えと、この子は・・・」

「その子は探偵依頼してきたトコの子だ」

「！お父さん！」

私が説明に困っていると、後ろからお父さんがフォローしてくれた。

「お、お父さん・・・」

「お前は話あわせとけ、」
「う、うん・・・」
お父さんにそう言われ、私はお父さんの話に合わせることにした。
「この子はなぁ、オレが依頼で頼まれたトコの子でなー、依頼主が今ちょうど海外に仕事で行ってて、依頼の仕事ついでに面倒見てほしいらしいんだ。だからしばらく家におくからなー」

お父さんはこういう口合わせがうまい。