こちらミクモ探偵事務所3

そいつは何故かダッシュで紘哉の所に駆け寄った。
体力が無いのか、肩で息をしている。

「珍しいな。紘哉が廊下にいるなんて」

「別に。本取りに来ただけだし」

紘哉は文庫本を掲げる。
彼の持っている本を見るなり、そいつは顔をしかめた。

「またかよ。よく飽きないな。俺なんて活字見るだけで頭痛くなってくる」

「それはケイがバカなだけだ」

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