次の日の夕方。

襟の部分がレース素材でできたライトグレーのコットンワンピースを着て、一馬さんのマンションへ向かった。

50%offで買った、洗濯のしやすい安物の服だというのは私だけの秘密。

料理を作るだけだし、そこまで気合の入ったよそ行きの格好はしなくていいかと思ったから。




「なゆさん、来てくれてありがとう」


笑顔で私を迎え入れてくれたのは、ハルくんだった。

濃紺のブレザーを着ていたから、まだ学校から帰ったばかりのよう。



私は家の中をこっそりと目で探った。

廊下の奥に2つ、リビングの奥に1つ。

アンティークな感じのプレートが掛かった扉は、確かに3つあった。

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