体だけでも繋ぎ止めたい
約束


せっかく朝から来たのに

久々に朝から来たのに


強制的に授業が受けれなくなった。


隣に座り
沈黙を続ける陸のせいで。



あの場を二人で抜けるのに
誰も疑問をもっていなかったのは

きっと、陸がなにか言ったから。



陸は、なに考えてんの…



人通りがなく、静まり返った
小さめの平場は

あたしと陸がよく使う場所。



そこには、今みたいな沈黙が似合うけれど
今日の沈黙は違う。


息苦しい……



そう感じた時、陸から
ため息がもれた。



「昨日のことで怒ってんだろ」


「…だから関係ないってば」


まだ、陸の目を見て言えない。


「いい加減にしろよ」


陸の声が低くなった。


怒ってる…



そう思ってたからこそ
陸の顔を見ることができない。


きっと陸は

こんなあたし、好きじゃない。





< 9 / 85 >

この作品をシェア

pagetop