さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―
翼 side
今日は篠原は家事当番の日だったから、俺は話す相手もいず、ただ黙って過ぎていく時間を感じていた。
「暇だな~。」
うーん、と背伸びをする。
そろそろこんな生活にも飽きてきた。
部活もしたいし、友達んちに行ってゲームでもしたい。
当たり前だった日常が、どうしようもなく恋しい。
「早く帰りたいよな。」
丁寧に畳んで、机の上に置いておいた制服に視線を落として呟く。
またこれを着て歩ける日が来るだろうか?
―――ガラ
そんなことを考えていたら、襖が開いた。
「篠原?」
当番が終わったのだろうか。
すぐに顔を出してくれるなんて、本当にまめな奴。
そう思っていたのに。
「…久しぶりだね。」