さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―

「なんだね、これは?」




みんなが興味津々にのぞき込んでくる。




「これは携帯電話と言うものです。これがあればどんなに遠くにいる人とも簡単に連絡を取り合えるのです。」




携帯電話を近藤さんに差し出す。





「うむ。このような物体見たことがない。第一素材が何かもわからない。」




しばらくの沈黙が流れる。





「どうやらキミの言っていることは本当のようだね。」




近藤さんが再び笑いかけてくれる。




やったぁ!




「キミは不振人物ではないようだが、このまま放すわけにもいかない。しばらくは監禁ということで良いかな?」




良かった。




殺されずにすんだ。




「わかりました!」




安心して緊張の糸がほぐれる。





「皆もそれでいいな?」




全員ではなかったけれど、大半の人が近藤さんの言葉に頷いてくれた。




綺麗に疑いが晴れたわけではないだろうが、ひとまずこれで落ち着いた。




「監視は幹部内で交代で行う。一之瀬くんはひとまず女中として家事のほうを頼もう。諸事情についてはひとまず幹部内だけでの話にするように。以上!」


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