さよなら、いつか。①―幕末新選組伝―

気を付けながら配膳を続けて、やっとのことで幹部の分を配り終えた。




隊士さんたちは、自分たちで盛り付けてくれたから。




どうしてか、隊士さんはよそよそしいっていうか…私を頼ってくれない。




「あずみちゃん、ここ座れよ!」





藤堂くんの威勢のいい声が飛んでくる。




「いいんですか?」



ちらりと隣の部屋を見ると、隊士さんたちがこちらを見ていた。




「当たり前だよ!あずみちゃんが隣に座って嫌がる男なんているわけないだろ?」




へ移動さんが嬉しそうに手招きしてくれたから、遠慮がちに隣に座った。




私が聞いたのは、そういう意味じゃなくて…。


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