おじさんって言うな! 〜現役JKに恋した三十男の物語〜
有希の秘密
「なんか、家の中全体が臭う気がする。空気、淀んでるんじゃない?」


 有希は部屋に入りながらそう行った。


 それは確かにそうかもしれない。昨日から窓もドアも閉め切ったままだったし、テーブルの上には乾きものの肴が食いかけで放置されてる。ウイスキーを飲んだグラスなんかもそのままだしな。


「確かにそうだな? すぐ掃除するからさ……」


 ついさっきまでは何もする気力がなかった俺とは思えないほど、機敏な動きで部屋の片付けを始めようとしたのだが、


「それはいいから、おじさんはお風呂に入れば?」


 と、有希はそんな俺の腕を引きながら言った。


「風呂も入るけどさ、その前に掃除をしないと……」


 有希を振り向いてそう言うと、


「掃除は私がやっといてあげる」


 そんな意外な言葉が返ってきた。


< 144 / 206 >

この作品をシェア

pagetop