彼女志願!

「――萌」

「えっ?」



振り返ると、ぽたぽたと滴をしたたらせた穂積さんが、立っていた。


上半身は裸、下半身はスウェットという、半裸の状態で。



「ほ、穂積さん?」



私を見下ろす彼は、どこか苛立ったような、手負いの獣のような、傷ついた眼差しで、私を見下ろしている。



「あの――」

「なめて」

「はい?」

「俺の、なめてください」



彼の大きな手が、ひざまづいたままの私の顔を引き寄せた。





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