彼女志願!

穂積さんはクスリと笑い、手のひらを離した。


彼の手が離れた瞬間、永遠に引き離されたような寂しさを覚える。



じっと彼の目を、追いかけるように見つめると

ふいっと目を反らした穂積さんは、テーブルの上の眼鏡をかけて、にっこりと柔和に微笑んだ。



いつもの穂積さんに戻った……?



「凛先生。このことは、誰にも話さないでもらえますか? 僕にも一応、立場というものがあるので」

「あ、はいっ……」



それは当然だ。



こくこく、とうなずくと、


「いい子です」


と、穂積さん。



ついでに頭の上をぽんぽんされる。




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