スイートルームの許婚

~由可奈side~

部屋に戻ってくると、私のデスクに栗原さんが座って、何やら怪しげな機械を持ち込み、触っていた。


「一体何を訊いてるの?」


「静かに…お嬢様…」


ヘッドフォンしながら、必死の形相で、唇に人差し指を立てる栗原さん。


愛斗は誰かと話をしている。
仕事の関係の人かな?



「…何かいいネタ話せよ…」


もしかしてーーー・・・!?


「栗原さん…愛斗とお客様の話を盗聴?」



栗原さんは立ち上がって、私の唇を手で塞いだ。


「それ以上…話すとキスで唇…塞ぐぞ。お嬢様」


「!!?」


栗原さんはヘッドフォンを外して、私に無理矢理、付けた。






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