生まれ変わってもキミが好き【完結】

どきっとした。


清春は、いつもこう。

ぼへーっとしてるくせに、あたしのことを、よく見てる。




「変て、どういう意味さ? 別に、普通でしょ。
ちょっと話して、いい先生だなーと思っただけだよ」


「……ふーん? いい先生ね」




なんか、納得がいってない感じ。


疑わしげに見られて、あたしはわざと怒った顔をした。




「なにさ。清春はなにが言いたいわけ?」


「まさか凛。あいつに惚れてないよね?」


「……はっ!?」




ずばり核心をつかれて、焦った。


だって、どうしてそう思ったんだろう?

そんなにあたし、態度に出てた?


自分の気持ちをはっきり自覚したのは、ついさっきだっていうのに。


鋭いにもほどがあるでしょ。




「な、なに言ってんの? 相手は教師だよ。 オジサンじゃん!」




なんとか誤魔化そうと、思ってもないことを口走る。



オジサンなんて、全然思ってない。

年の差は痛いほど感じるけど、『るいち』は素敵な大人の男になったって、思ってる。



あんなにかっこよくなるなんて、昔は、前世では想像できなかったよ。

< 89 / 372 >

この作品をシェア

pagetop