竜王様のお気に入り
竜王様の食事
・・・そして。


広間には誰も居なくなった。


この広い空間に、取り残された二人。


あまりにも、音の無い時間が不安で、ヤヨイは早くこの場から立ち去りたかった。


「・・・。」


「・・・。」


痛々しい程の沈黙が、空間を漂う。


「ハクリュウ。」


沈黙に堪えかねて、少し怒りをはらんだヤヨイの声が、広間に響いた。


「うん?」


悪びれず、返事をするハクリュウ。


「あんた・・・。
竜王様だったんじゃない。
早く教えてよ。」


今更敬語を使うのも白々しく思えて、ヤヨイはそのまま語尾を強めた。

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