アラサーだって夢をみる


会場は円卓がたくさん並んでいて、すでに客も一杯だ。

開演までもう少ししかない。
慌てて自分の席につき、同じテーブルの女性達に挨拶をした。

遠くから来ている人も多いようで、三神さんの人気っぷりが伺える。

私のテーブルは一般客で本人を見るのは初めてという女性ばかりだった。

緊張しますねーと話していると、会場の照明が徐々に暗くなってきた。

舞台袖から人影が現れ、スポットライトがあたる。

「こんばんは、三神玲二です」

生の三神さんだ……

三神さんの声は脳の深いところに届くような響きでドキドキする。

普通に喋っていても凄くいい声で、私はだんだん夢心地になっていった。



☆-☆-☆-☆


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