アラサーだって夢をみる

食後のコーヒーを持ってソファーに座る。
テレビをつけると三神さんの声が流れてきた。
出演してるアニメが放映される時間だった。

三神さんは私の横に座って、画面に合わせて喋ってくれる。

(うわぁ……)

私はその横顔をみつめた。

大好き。
好きな気持ちが溢れて抑えられない。

「どうかした?」

覗き込んで来る三神さんに私は告げた。  

「三神さん、大好き」
「大好きです」

少し目を丸くした三神さんは

「俺も大好きだよ」

と微笑んでくれた。



「沙理ってさ」

三神さんが私を抱き寄せながら
「ドMだよね」と囁く。

さっきの会話を思い出して笑ってしまった。

「三神さんのせいですよ」

「わかってるよ」

三神さんはにやりと笑う。

「責任取らなきゃね?」

私は甘くて優しいキスに身を委ねる。  




我ながら馬鹿みたいに単純過ぎて呆れちゃうけど。  
一度認めてしまったら止められない。 

友樹やぷう太達の顔が浮かんでも、揺るがない。

また会いたい。

また、絶対に会いに来る。





☆-☆-☆-☆




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