「この通りちょうど良い。だが舞……口づけの時は瞳を閉じなさい。開くのは唇だ。まあいい、私は愛の手ほどきは嫌いではない」


ミシュアル王子はそう言うと獲物を捕らえた肉食獣のように、瞳を煌かせた。


ちゃんとした女の子として扱われて、舞は嬉しかった。
それに、初めてのキスに空を飛びそうなほど浮かれていた気もする。
或いは、規格外の王子様が登場して、頭が変になったのかも知れない。

こんなふうに大切に愛してもらえるなら、ミシュアル王子のお嫁さんになってもいいかも、なんて考え始めた自分がいた。


「あの……急過ぎませんか? 一ヶ月後って。せめて一年とか」

「駄目だ。これは決定なのだ」

「だったらあんな検査なんか意味ないんじゃ……」

「私が君を妻にするのは決定事項だ。だが、純潔でない花嫁を私が妻として敬う義務はない。それだけのことだ」


純潔、純潔って、なんでミシュアル王子はここまで処女に拘るんだろう。

以前、桃子が言っていた「男って何だかんだ言っても、好きな子がバージンだったら喜ぶのよね~」というのとは少し違う気がする。


そしてそれを質問して、舞は仰天したのだった。


「我が国では、女性の純潔を奪った時、男は結婚しなければならない。それができないものは、刑に服すことになる――」


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王子  シーク  許婚  運命  独占欲  婚約者 

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