主婦だって恋をする

「…………っ」


なかなか上手い逃げ道が見つからずに言葉に詰まる。

でも、あることを私は思い出してぱっと顔を上げた。



「くつ……」


「……靴?」


「スニーカー……買ったの!」



玄関に戻って、現物を彼に見せる。



「珍しいね。いつも履かないじゃん?そういうの」


「たまにはこういうのもいいかなぁって!」


「ふうん……まぁいいんじゃない?」



……何とか切り抜けたわ。


ほっと胸を撫で下ろしていると、夫が思い出したように言った。



「そういえば、アレは買っといてくれた?」



アレ……?
何か頼まれていたっけ?

首を傾げる私に彼はぼそっと呟いた。



「……ゴムだよ、ゴム」


< 24 / 212 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop