さくら色 〜好きです、先輩〜

光と闇《2》


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「兄ちゃん、聞いてる?」

「あ、悪い。何だっけ?」

「だーかーらー!どうして兄ちゃんはサッカー部に入ってないの?」

「兄ちゃんなら絶対プロ確実なのに」


練習試合の帰り、子供達が俺のTシャツの裾を引っ張りながらそんな事を言って来た。

こいつらはもちろん俺がサッカーをやめた理由を知らない。


「…足を怪我して今はサッカー出来ないんだ」

「え?怪我?治らないの?」

「リハビリすれば前みたいにサッカー出来るようになる」

「それじゃ、今はリハビリ中なんだね!」

「兄ちゃんが試合してるの早く見たいよな」


俺は言葉に詰まった。

サッカーはやめたって言ったら、お前らはどう思う?



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