さくら色 〜好きです、先輩〜

宣戦布告


マネージャーになって数日が経った。

仕事は想像以上に忙しいけど、部員も先生もいい人ばかりで毎日楽しくやってる。


あの日から、恭介とも今まで通りの関係に戻った。

少し違うところはあまり言い合いをしなくなった事と私に対して少し優しくなった事。

そんな恭介に正直戸惑う時もあるけど…



今日はうちの高校で練習試合が行われる。

新入生が入り、新体制になって初めての他校との試合。

そして、恭介のデビュー戦。


「一年生でこんなにも早くレギュラー入りするなんて本当に凄いんだから!」


練習試合の準備で飲料水などの買い出しに行った帰り、若菜先輩は興奮気味に「凄い!凄い!」と何度も言った。


「私が試合に出るわけじゃないのに、私まで緊張しちゃいます」

「でしょ?私もよ。小野田君率いる新生チームになって初の試合だもの。落ち着いてなんていられないわ」


今日は公式戦じゃなくて単なる練習試合なのに、試合のことを考えただけで胸がドキドキする。

この試合の動きによって今後のレギュラー争いにも影響してくる。

そのため部員達からはいつも以上に熱気が伝わってきた。

今日は勝っても負けても有意義な試合になるといいな。



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