私を見て微笑む
そのあなたの唇に
悲しみが隠れていたのに
わざと気付かないふりをした。
今この瞬間でさえ
私はあなたを
あなたは私を
こんなにも傷付けているのに。
それでも
愛したいと願った。
それでも
愛されたいと願った。
なのに…
憎しみゆえに戸惑い
愛しさゆえに彷徨う。
ねぇ、知ってる…?
行き場を失った愛が
苦しげに肩で息をしてることを…
対立する組織の抗争に巻き込まれ
両親を失った女。
彼女が愛してしまったのは
背中に龍を持つ
「組織」の男だった。
前作「はぐれ雲。」の登場人物も、この物語の中で愛を紡いでゆきます。
この物語に出てくる天宮信太郎の過去、「『愛してる』、そのつづきを君に」もただいま執筆中です。