初恋タイムスリップ(成海side)


もう少しで研修医2年目に入ろうとした時、

初めて、金曜午前勤務、土曜休日という、

1日半の休日をもらえることになった。



その週の木曜日、やっぱり仕事は夜中になってしまって、

また、医局のソファーに倒れ込んでしまった。

ソファーは医局の奥の隅に、棚で仕切られたところにある。


節電のため最小限の電気しかつけていない。

特にソファー周りは電気が消してあるから、暗くて座った瞬間睡魔が襲ってくる。



いつも、このソファーが悪い。


「成海先生!帰ったほうがいですよ!」


同期の女の研修医に声をかけられた。


「・・・はい」



俺は、もう、半分夢の中だった。



「成海先生!

成海せん・・・





成海・・・」









成海くん




成海くん







み・・・美音・・・?










俺は、それから、




長い長い




中学の頃の夢を見た。









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