初恋タイムスリップ(成海side)


美音の涙を見て、あの頃を思い出した。



どうしてあんなに不器用だったんだろう。

話しかけるのも、思いを伝えるのも、

どうすればいいのかわからなくて、

ひとつひとつが幼くて、

不安になっていた。






でも、きっとそれが俺の、



「初恋」なんだ。






美音と別れた後、

10年間

いろんな事があった。




そのひとつひとつが、俺を成長させた。




そして、

いろんな事があっても、


美音を忘れることができなかった。


違う、忘れられなかったんじゃない。



好きだったんだ。



もう、俺は美音の涙を見ても不安にならない。




どんな美音でも支えてあげたい。





どんなことでも話してほしい。





どんなことでも、受け止めるから。










俺たち、ゆっくりはじめよう、






初恋の続きを。








必ず、


幸せするから。











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